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茶話会

いつも出張ケアでお世話になっている

クラスカフェで茶話会という

素敵な会に参加した。

 

お茶に親しむ〜季節の茶話会

 

お話をしながらも

時折静けさを感じながら

お茶や茶道に親しむ会。

 

クラスカフェの三木さんの

そのご提案に心惹かれ

すぐに参加したいと申し出た。

 

実は昔、お茶を習っていた事がある。

 

病院に就職して間もない頃の話。

 

院長のお母様がお茶の先生で

たいそう素晴らしいお茶室が自宅にあるとのこと。

 

立ち上げメンバー独身女子に嗜みを。。と、そのお母様の計らいで新人の私は

ベテラン看護師さんに誘われるまま入会していた。

 

集まりはだいたい平日の夜。

 

それはそれは毎日クタクタな新人PTにとっては時折苦痛ともいえる時間だったが

必ず美味しい夕ご飯をいただいてからお点前の練習をするので、餌に釣られて参加していたようなものだ。

 

私と同じく疲労困憊な若手看護師さんと、隣合わせで薄茶をいただく時、

彼女が「お点前頂戴いたします。」と

きっと言いたかったに違いないが

思わず「お手並み拝見!」と

カッコよく言い放った光景は

今でも思い出すと吹き出してしまうくらい、最高に楽しい思い出だ。

 

あんなに贅沢な時間はなかったと、後から思うと感じるが

その時は「家に帰って休みたい。」が1番で、今更ながら昔の私に色々言ってやりたい気持ちになる。

 

それでも、安い茶器や道具を買って、お点前や帛紗さばきの練習をウチでしていたものだ。

 

結婚してしばらくは持っていたが

おそらく引っ越しと同時に処分したか、人にあげてしまったようだ。

今は全く何の道具もない。

 

今回の茶話会で先生のお点前を見て、あーそうそう!と何となく思い出してきたが

いざ自分で、となると

簡易的な方法であるにも関わらず、全くと言っていいほど、何もかもが新鮮で、すっかり忘れていることに気づいた。

まったく恐ろしいものだ。

 

血の道療法の師範は

よくお母様(高齢でありながらご健在である。)のお話をしてくれる事があり

その中でも印象に残っている話がある。

 

夫婦喧嘩や何かで

怒りや憤りを感じた時に必ず奥の戸棚から高価な茶碗を箱から取り出し、それにお茶を入れてゆっくり飲んでいたとのこと。

 

丁寧に扱わないといけないくらいの茶碗を手に取り、ゆっくり茶を嗜むと、自然と心に冷静さが戻ってくるらしい。

 

なるほど!と思った私は

1番お気に入りのものは奥にしまい、ここぞ!という時に出して、お気に入りのお茶を入れたり、珈琲を淹れたりしている。

 

そういえば、最近は腹が立つこともめっきり減っていて、そのような時間をとっていないかも知れない。

 

そして、今回の会で、お茶を点てるという時間や薄茶の味わいを再確認し、とても豊かで穏やかな時を過ごした気がした。

 

これが日常にあったら何とも素敵な事だろうと

日々の中に、カジュアルな方法でもお茶を点てる時間を取り入れたいなと思ってきた。

先ずは茶碗や茶器を少しずつ揃えないと。

また楽しみが1つ増えた。

 

以前のお稽古で教わった事は殆ど覚えていないが、所作が合理的で美しいという事だけは覚えている。

 

血の道に出会い、師範の所作を見た時、当時の茶道の光景が目に浮かんだものだ。

茶道や華道、武道などと同じ

「道」という何かで繋がっていると感じている。

 

伝統や真理を伝える事や受け継ぐことは、どの世界も奥深く、いつだってロマンを感じる。

 

殆どが口伝であるから、誰かの意図や意思も織り交ぜられながら、進化、変化する事はあるだろう。

流派に分かれる所以でもある。

 

その中で核となるものを伝える事は決して容易ではないが

実は意外とシンプルなものなのでは、と思う事がある。

 

しかしながらシンプルであるが故に伝えにくい局面があり、難しく理解されにくく、広がりにくものなのかと。

 

茶道が今のライフスタイルに溶け込むように変化できるベースは

伝統を重んじ、丁寧に真理を伝えている人達がいるからであって、それらを知っている先生にカジュアルな形で教われる機会がある事はとても幸せな事だなと思った。

 

私もきっと同じ事をしたいのかな、と感じている。

 

日々の中に取り入れられる血の道をもっと人に伝えられたら

それは私の幸せに繋がる気がしている。

 

などと思った茶話会。

 

茶話会といっても、人見知りの私は、先生への質問以外は殆ど言葉を発せずにいるが

2ヶ月に1回、全6回のこの会を私なりに楽しみにしている。

 

日常にまた一つ、楽しみ嗜むものができる。

そう思うだけでワクワクした一日だった。