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血の道療法とは

 日本フットケア協会師範室谷良子によって、現代に伝承されている「血の道療法」は、血流が末端まで滞りなく流れるようにするための手わざ法である。元々は家族のために手当て法として、代々親から子へ連綿と伝えられている健康法であり、幼少の頃より、代々父母から家伝として養育・指導を受けた健康になるための生き方である。

 日常生活の中に取り入れられる手で行うケアや工夫により、血流の流れをよくし、血管を圧迫している筋肉のゆがみやねじれ、緊張などを解消し、体内の温度差をなくすことで、体調の維持や不調を整えたり、病気のつらい症状を緩和する日々の生活を整える知恵の集大成である。

 室谷は、日々研鑽を重ね、1992(平成4年)年にフットケアを現代風にアレンジし、1996(平成8年)年日本フットケア協会を立ち上げた。「1日の疲れを取り除き、健康な体づくりをすること」を基本理念に、体の循環をよくするように、フットケア、ハンドケア、爪のケア、顔のケア等の手わざ(手で行うケアのみならず、生活の知恵といってもよい日常生活の工夫)の口伝・伝承を行っている。現在1,500人を超える技術者・取得者を輩出し、日本統合医療学会をはじめ、様々な学会で保健・福祉・看護・介護に関する研究発表、さらには座る姿勢をよくするマット、寝るときに自然の形で頭部を支える枕(お母さんに抱っこされたときのよう)、手足の筋肉の歪みを緩和する靴下や手甲、重力で筋肉がさがり、歪み・ねじれることえ緩和する女性のための下着、立つ・座る・寝るの人の3つの動作を基本にした用具を医療機関やメーカーとともに開発も行っている。

 近年「血の道療法」は、主に冷え解消のため、統合医療に積極的に取り入れられて、大学の研究室などの専門機関での検証により、その効果が確認されている。

 

引用元:川嶋 朗 編著 (2010年)「冷え外来」医歯薬出版株式会社 (P156)